こんにちは、かるびです。
卒論や修論の謝辞って書き方の例がなかなか見当たらなくて、困りませんか?
具体的なルールがよくわからないよね。
本記事では謝辞を書く理由や目的、具体的な方法まで例文付きで解説していきます!
卒論の謝辞とは?基本的な考え方と重要性

卒論の謝辞の役割と目的
謝辞は、卒論の執筆に際して関わってくれた人々への感謝を記すパートです。
研究は決して一人では成し遂げられないものです。
指導教官やゼミの仲間、時には家族や友人など、多くの人の支えがあってこそ卒論は完成します。
このパートは、支援に対して敬意と感謝を形にして示す、研究者としてのマナーでもあります。
謝辞が必要な理由は?
謝辞が必須の理由はないと私は考えています。
というのも、先述の通りあくまでマナーであるためです。
卒論は学術的な成果物であり、完成までには指導や協力が不可欠です。
人として、感謝を示せるかどうかがわかるだけだと考えられます。
書くだけ書いておけば文句も言われないし、無難だとは思うけどね。
卒論・修論・学位論文による違い
基本的な書き方やマナーは同じですが、謝辞に含める内容の範囲は論文の種類により異なります。
- 卒論:関係者が少ない分、シンプル
- 修論・博論:研究室外の共同研究者や他大学の先生、企業関係者など、広い傾向
公的機関や財団などから資金援助を受けている場合は、提供元の指定に従って記載すべきです。
ちなみに、私の修論に比べて博論を書いた先輩方は2倍量を書いていました。
卒論の謝辞の書き方と記載方法

シンプルで簡潔な表現のポイント
謝辞は2〜3段落、400〜600字程度が目安でしょう。
使い慣れた表現でも問題ありませんが、敬意を込めた丁寧な言葉遣いを意識します。
例文:
- 「本研究においてご指導くださった○○教授に深く感謝申し上げます。」
- 「研究に関する助言をいただいた○○助教にも、厚く御礼申し上げます。」
私は卒論で300文字程度、修論で500文字程度記述しました。
ページ数の制限等もあるので、書ける分だけで問題ありませんよ。
謝辞の基本的な記載場所はどこ?
謝辞は、論文本文の最後に独立したページを設けて記載するのが一般的です。
特に修士論文や博士論文では、参考文献の後に謝辞ページを置くケースが多いです。
序論、本論と同じレベルの見出しで謝辞を作ったな
卒論の場合はページ制限の都合で、参考文献の末尾に続けて簡潔に書くこともあります。
個人的な印象ではありますが、「序論」や「はじめに」の前に謝辞を記すのは適切ではないと考えています。
小説ならわかりますが、あくまで卒論は自分の目的は研究成果の発表ですから、主題がずれてしまうように感じます。
お礼の表現をフォーマルにするには?
自然で丁寧な感謝の表現として、以下のようなものが適しています:
- 「本研究において○○教授には多大なるご指導をいただき、深く感謝申し上げます。」
- 「日頃より多くの助言をくださった○○助教に、心より御礼申し上げます。」
- 「研究を支えてくれた家族や友人の存在にも、感謝の意を表します。」
過度に感情的な表現や、友達言葉は避けましょう。
名前や組織の記載方法
名前や組織の記載方法に決まったルールはありません。
ですが、先輩方の論文を拝見していると以下のような傾向が見られました。
関係性 | 所属・役職 | 例 | 備考 |
指導教員(教授) | 教授 | ○○教授 | 所属略可。最初に記載するのが一般的 |
指導教員(助教) | 助教 | ○○助教 | 教授より後に記載すると無難 |
他大学教授 | ○○大学 | ○○教授 | 所属を明記する |
企業担当者(共同研究) | 株式会社○○ | ○○様 | 社外関係者には「様」付け |
試薬・材料提供者 | ○○研究所 | ○○様 | 特殊試薬や材料提供者には個別に感謝を記載 |
研究室メンバー | ○○さん、研究室の皆様 | 敬称なしでも可。複数人ならまとめてOK | |
家族・友人 | 両親、家族、友人 | 実名を記載する必要はない | |
複数名一括 | ご協力いただいた皆様、関係各位 | 名前を挙げきれないときに便利 |
あくまで一例なので、適宜変更してくださいね。また、過去の修論・博論を閲覧していてみなさん下記のような順序で記載していました。
地位の高い方→研究に貢献の大きい方→研究室内の仲間→家族・友人
もちろん例外もあり、研究資材を提供してくださった外部の先生を一番に持ってくる方もいます。
ガチガチに守る必要はありません。
卒論の謝辞に書くべき内容

指導教官・教授・ゼミ生・学生への謝辞
最も重視すべきは指導教員への感謝です。
教授だけでなく、助教・TAなど日々接点のあった人への謝辞も丁寧に記載しましょう。
- 「ご多忙の中、丁寧にご指導くださった○○教授に深謝いたします。」
- 「日々のディスカッションで刺激を与えてくれたゼミ生の皆様にも感謝申し上げます。」
研究室がブラックすぎて指導教官に感謝などない!という方もいると思います。
そのような場合は、形式的にとりあえず文言は書いておいて、愚痴は別で吐いた方が無難に縁を切れますよ、、、
研究室・大学・組織など関係者へのお礼
外部機関の協力者なども必要に応じて言及します。
ただし、図書館や自習室といった通常利用する設備への謝意は不要です。
家族・両親・支援者について触れる際の注意点
家族や友人への謝辞は、控えめでフォーマルな表現を選びましょう。
例:
- 「日頃より支えてくれた家族に、深く感謝しております。」
- 「精神的な支えとなってくれた友人たちに、感謝の意を表します。」
個人名の記載や過度に感傷的な表現は避けるのが無難です。
もし書きたい場合は、印刷されたのちに渡す分だけボールペン等で追記しておくのがおすすめです。
私も教授に対しては個人的なお礼を別途記載の上、お渡ししました。
その方が気持ちも伝わるし、できるならやった方がいいと思う!
助言・助成金・協力・アドバイスへの感謝
実験やデータ解析の協力、試薬や器具の提供者がいた場合は、具体的に言及するのが丁寧です。
- 「○○タンパク質をご提供いただいた〇〇大学の〇〇教授に、深く謝申し上げます。」
私の個人の価値観にもよりますが、ピペットマンを借りただとか物を置かせてもらった程度であれば不要です。
卒論の謝辞で避けるべき表現例と注意点

使ってはいけない表現や失礼な言葉
謝辞には、感謝の意を丁寧に表現することが求められます。
以下のような表現は避けましょう:
- 「仕方なく指導してもらった」→感謝になっていない
- 「うざかったけど感謝してます」→冗談のつもりでも不快感を与える
- 「〜くん、〜ちゃん」→フランクすぎる呼称
感情的・攻撃的・内輪ノリのある言葉は謝辞にはふさわしくありません。
個人的すぎる内容や不適切なユーモアの注意点
感謝の気持ちを込めるのは良いことですが、笑いを取ろうとしたり、日記のような内容になるのは避けましょう。
- 「毎朝起こしてくれた○○に感謝(起こしてくれなかった日は恨んでます)」
- 「○○先生に鍛えられたおかげで、もう怒られてもビクともしません(笑)」
公的な文書としての側面を意識し、読み手に配慮した文体を心がけましょう。
もちろん関係性にはよるので、手書きで追記するなら良いでしょう。
表現が過剰・簡潔すぎる場合の具体例と解説
- 過剰な例:「この研究に携わったすべての人類に感謝します」→大げさすぎる
- 簡潔すぎる例:「ありがとうございました」→誰に?何に?が分からない
謝辞は具体的な感謝の対象と内容を明示するのが基本です。
卒論の謝辞の例文・テンプレ一覧

シンプルな謝辞の例文とアレンジ例
ここからは例文形式で謝辞の書き方をお伝えしていきます!
例文1(基本形)
本研究にあたり、○○教授には終始ご指導いただき、心より感謝申し上げます。また、日々の議論に付き合ってくれた研究室の皆様にも深く感謝いたします。最後に、精神的に支えてくれた家族に御礼申し上げます。
例文2(やや丁寧)
本研究を進めるにあたり、多くのご助力をいただきました。
指導教員である○○教授には、研究の方向性から論文の構成に至るまで、熱心なご指導を賜りました。
関係者の皆様に、この場を借りて心より感謝申し上げます。
この場を借りて心より感謝申し上げますのような総括を加えると、より丁寧な印象を与えられますよ。
学位論文・修論など各論文向け例文
修士論文や博士論文では、関係者が増える分、より詳細な記述が求められます。
ご多忙の中、長期間にわたって熱心なご指導をいただいた○○教授に、深謝申し上げます。
また、共同研究としてご協力いただいた株式会社○○の○○様、ならびに○○大学○○研究室の○○教授に厚く御礼申し上げます。研究室の同僚とは、活発な議論の中でさまざまな助力をいただきました。
最後に、これまで6年間の大学生活を支えてくださった家族に感謝申し上げます。
英語で書く場合の表現例
I would like to express my sincere gratitude to Professor ○○ for his/her invaluable guidance and support throughout this study.
I am also grateful to all the members of the ○○ Laboratory for their helpful comments and encouragement.
Lastly, I would like to thank my family for their continuous support and understanding.
卒論の謝辞についてよくある質問と解説

謝辞は最後に書くべき?タイミングと順序
基本的に謝辞は「最後」に書くのが自然です。
理由は以下の通り:
- 感謝すべき人が最終段階で明確になる
- 書き上げた後の心境で、より誠実な文章が書ける
章立てとしては、本文・参考文献の後に「謝辞」の独立見出しを設けましょう。
謝辞がいらないこともある?
一部の卒論では、謝辞の記載が必須ではないこともあります。
ただし、指導教員の助言や研究支援を受けていれば、簡潔でもいいので感謝を伝えるのが一般的です。
文字数制限が厳しい場合は、参考文献の後に2〜3行添えるだけでも構いません。
謝辞で伝えるべき価値と注意点まとめ
- 謝辞は「研究は自分一人で成り立っていない」という姿勢を表す場です。
- 丁寧かつフォーマルな表現を心がけ、誰に・何に感謝しているのかを明確に書くことが大切です。
- 冗談や私的な内容、曖昧な表現は避けること。
いかがでしたか?
本記事が皆様の執筆の参考になれば幸いです。